今回のテーマは「はやい」にあたる英語の使い分けです。
それが Fast / Quick / Soon / Early の4つ。
まず、大きく分けて
① Fast と Quick は「速い」=スピードが速い
② Soon と Early は「早い」=時刻やタイミングがより早い
という違いがあります。
ここまでは分かっても、 Fast と Quick の使い分け、Soon と Early の使い分けで悩む人も多いのではないでしょうか。そこで今日は徹底的に(?)そのへんを解説していきます!
目次
Fast と Quick の使い分け
私も言語学者ではないので、厳密に言うと違うかもしれませんが、あくまで日常会話の中でどのように使い分けているか解説していきます。
①日常会話ではほとんど同じように使える
Fast も Quick も「(スピードが)速い」なので、たとえばこんな風に使います。
=「時間に遅れてたから、大急ぎで支度しなきゃいけなかった」
※Running late で「時間に遅れる」という慣用句で、「走っている」わけではありません。
どちらも日常会話でよく聞く言い方です。
ちなみに、「Get ready quick」というのは実は厳密には間違いで、動詞のあとにつけるなら「Quickly」と副詞形にしなければいけないんですが、会話の中では、上の例文のように「何かをした」という動詞節のあとに Quick を付けることがとてもよくあります。
つまり、文法的に違いはあるけれども、基本的に日常会話においては Fast と Quick は同じように使うことができるわけです。
もちろん、正しい文法で 「Get ready really quickly」と言っても変なわけではありませんが、アメリカの日常会話ではこういう時に「Real fast」や「Real quick」という言い方も同じぐらいよく使います。
②Fast は速く行うこと、Quick は短時間で終わること
ただ微妙なニュアンスの違いがあって、Quick と言った場合は本当に短時間で終わる速いこと、Fast は長時間かかったとしても速いスピードで行われること、という使い分けがあります。
たとえば、長距離走や長距離水泳などのように、全体の時間としては長時間かかるけど、それを行うスピードとしては速い、という種類のことには、Quick ではなく Fast が使われる傾向があります。
(マラソンのタイムが去年よりだいぶ早くなった。)
このようにたとえばマラソンのタイムの話しをしている時には Quick よりも Fast になります。
逆に言うと、それをしている最中の動作スピードが速いわけではないけど、全体としてかかる時間が短時間であれば、Fast ではなく Quick になります。
(この手術ってどのぐらい時間かかりますか?)
(すぐに終わる手術ですよ。30分ぐらいしかかかりません。)
このように、「Quick surgery (速い手術)」という場合には、手術をしている時の医師の動作が速いわけではなくて、「短時間で終わる(速い)手術」というニュアンスです。
次の例も見てみてください。
二つとも、「今まで見た中で一番速いレースだった」という意味ですが、Fast だとレース参加者のスピードが速かったという意味になり、Quick だと短いレースだったのですぐに終わった、という意味になります。
一つのポイントとしては、Quick は長時間かかっても速いことには使えないけど、Fast は短時間で終わることについても使えることが多い、という点です。
たとえば最初の「急いで支度をする」例では、短時間で支度をしたので Quick を使うこともできますが、同時に動作スピード自体も速かったわけなので、 Fast でもオッケーになるわけです。
つまり Fast の方が使える状況が多く、Quick の方が限定的な単語であると言えます。
とっさに迷ったら、とりあえず Fast を使うといいかもしれません。
➂Quick を使った定番フレーズ
Quick を使った表現で、日常会話でよく出てくるものをいくつか紹介します。
A quick question で「すぐに答えられる簡単な質問」という意味の表現です。上の例文のように「ちょっと質問していい?」と言いたい時の定番フレーズです。
(これちょっと見てみてくれない?)
Take a quick look で「ちょっと見てみる」という意味の定型フレーズ。
(ちょっとこっち来て。)
「(長くはかからないから)こっちに来て」という意味でよく使われるフレーズです。
Soon と Early の使い分け
次に Soon と Early の使い分けを見ていきます。私の理解では、この二つの違いは
Soon = 現在からみて早いタイミング(未来の話し)
Early = 一般的または客観的に言って早いタイミング(過去・未来どちらもOK)
ではないかと思います。どういうことか、例文を使って解説していきます。
(早く梅雨が明けるといいなぁ。)
(今年は梅雨明けが早いといいなぁ。)
微妙な違いですが、Soonを使った場合は「現時点から見てなるべく早いタイミングで」梅雨が明けてくれることを願っているというニュアンス、Early を使うと「例年の平均に比べて早めのタイミングで」梅雨が明けてほしい、というニュアンスになります。
Soon は現在を基準にした表現になるため、Soon を使うためには今現在梅雨の真っ最中でなければいけませんが、Early を使えば、梅雨入りする前に「今年の梅雨明けは早いといいな」と言うこともできる、というわけです。
言い換えると、Early というのはどの時点での話しであっても早いタイミングで起こったことには使えますが、Soon というのは基本的に未来の話しになります。
(今年は梅雨明けが早かった。)
このように過去のことについても Early は使えますが、 The rainy season ended soon this year. とは言えないわけです。
もう一つの例を見てみましょう。
(今日お父さんいつ帰ってくるの?)
という質問に対して、
と答えた場合は、「もうすぐ帰ってくるよ」(現在からみて早いタイミングで帰ってくる)という意味になりますが、
と答えた場合は、「今日は(いつもより)早く帰ってくるよ」という意味です。Early の場合は、必ずしも現在からみてすぐ帰ってくるとは限らないわけです。
まとめ
最後に、4つの「はやい」を「Come play (遊びにおいで)」という簡単な例文で比較してみます。
(急いで遊びにおいで。)
(ちょびっと遊びにおいで。)
(近いうちに遊びにおいで。)
(早い時間に遊びにおいで。)
いかがでしたか?
説明が下手で分かりにくい所もあったと思いますが、これで少しでも「はやい」の英語のモヤモヤが解決したらうれしいです!
それでは今日はこのへんで!