今日は日本語を勉強している外国の人と日本語で話す時のコツをご紹介します!
日本に住んでいる外国人が日本語で話しかけてきているのにあえて英語で答えると、「え、あたしの日本語そんなにへたくそだったかな・・。英語じゃないと話せないと思われたのかな。」と相手をへこませてしまいかねません。そういう時は日本語で応対すると喜ばれると思いますよ。
どの国出身の人にも割と当てはまることだと思うので、参考にしてどんどん異文化コミュニケーションしてみてください!
目次
相手に理解してもらうコツ
です・ます調で話す
日本語を勉強する人は、まずは「これはパンです」というように「です・ます」調の正しい日本語を勉強しています。くだけた話し言葉は、まず「です・ます」調で文法の基礎を学んだ後に習うので、上級者向けの話し方になります。外国人の大人が日本語を勉強する時には、日本人の子どもとは逆の順序で言葉遣いを覚えていくことを頭に入れておきましょう。
文章を書く時のように話す
「です・ます」調の他にも、「でもさ」の代わりに「でも」、「食べちゃおう」の代わりに「食べましょう」という風に、文章を書く時に使うようなきちんとした言葉遣いをすると、通じやすくなります。たとえば「●●しちゃダメ」というのも実は上級者向けの表現で、初級者にとっては「●●してはいけません」「●●してはダメです」という言い方をした方が伝わりやすくなります。
※たまに、テキストなどを使わずにとにかく会話しながら日本語を覚えているというタイプの人もいるので、これがすべての日本語学習者に当てはまるわけではありません。
伝わらなかったら言い換えないで全く同じ文を繰り返してみる
外国人の人に対して何かを言った時に、相手が「??」という反応の時や、「もう1回お願いします。」などと聞き返してきた時には、難しい単語を知らなくて分からなかったというよりは、単に聞き取れなかったことの方が多いです。そういう時に、良かれと思って違う言葉に言い換えて言い直してしまうと、話すスピードが同じならまた聞き取れない可能性が高いです。相手にとっては、「どうやら違う言い方してくれたみたいだけど、それも早すぎて全然聞き取れなかった・・」となってしまうので、むしろまったく同じ文を少しゆっくりめに繰り返してみましょう。
何度かゆっくり繰り返しても伝わらないようなら、言い方を変えてみてください。
擬音語はあまり使わないようにする
「ポンポン」「バタバタ」「カチャカチャ」などの擬音語は、物の音を模したものなら万国共通では、と思われがちですが、実は全然そうではありません。日本語にはこのような擬音語や擬態語がとっても豊富で、小さい子どもに話す時には多用する種類の言葉ですが、日本語を勉強している外国人にとっては、似たようなのがいっぱいあって覚えにくい種類のボキャブラリーです。通じにくいからと子どもにするのと同じ感覚で擬音語を多用すると、ますます通じなくなってしまうかもしれません。
過剰に大きな声で話したり、ゆっくりすぎる話し方をする必要はない
言葉が通じにくい相手には、つい大きな声になったり、大げさにゆっくりした話し方をしてしまうものですが、耳が遠いわけではないのなら外国人相手にそのようにする必要はありません。ゆっくりはっきり発音するのは大切ですが、まるで子どもに対するような話し方をされるといい気分はしないので、気を付けましょう。
カタカナ語は略語ではなく正式名称でトライ
英語から来ているカタカナ語は略されているものが多いですが、略語では通じないので、長い方の名前を言うと通じる可能性が高まります。たとえば「スマホ」ではなく「スマートフォン」、「デパート」ではなく「デパートメント・ストア」、「テレビ」ではなく「テレビジョン」という風に、正式名称を、しかもなるべく英語っぽい発音で言ってみましょう。カタカナ語は意外と通じにくいものですが、さらに略語では通じる可能性がゼロに近くなってしまいます。
相手を理解するためのコツ
失礼に聞こえる発言は受け流す
外国語として日本語を覚えた人にとっては、どんなにうまくなっても、微妙なニュアンスなどを完璧にマスターするのは至難の業です。外国人の人と日本語で話していて、「え?何その言い方・・」「普通そういう言い方する?」と違和感を覚えた時には、「あ、今のは悪意じゃなくてニュアンスを間違えてしまっただけかも」と考えるようにしましょう。特にペラペラな人ほどそういう微妙な所で誤解を生んでしまうことがあります。
深く付き合っていく中で、「やっぱりこの人は言葉の壁の問題じゃなくて、普通にこういう失礼なことを言いがちな人のようだ」という結論に至ることもあるかもしれませんが、少し知り合ってからその判断をするようにしましょう。
「?」の時は似た音の単語やフレーズを探す
相手が言った日本語が「?」な時は、その言葉に似た音やリズムの単語で文脈に合う言葉はないか、考えてみましょう。たとえばうちの夫は「貧しい」と「まぶしい」をごっちゃにしていた時期があり、「貧しい人がたくさんいます」と言いたいところで「まぶしい人がたくさんいます」と言ってしまっていました。一瞬「え?」となりますが、「あ、まずしい?お金がない人のことですか?」と聞いてみると、誤解が解けます。聞いて確認するのがはばかられるようなら、スルーして頭の中で処理してあげましょう。
あきらめずに話しかける
これは心の持ちようの話しになりますが、とても大事なことだと思います。日本語のつたない外国人の人と話すのはそれなりにエネルギーがいることですし、お互いに恥ずかしい瞬間や気まずい瞬間もあるかもしれません。でもそれで話しかけるのを敬遠してしまうと、相手はどんどん孤立していってしまいます。相手のためと思って、「今日も全然分かりあえなくて終わっちゃったね!あはは!」と明るく受け止めて、話しかけ続けていきましょう。
その人と話す機会が多いほど言ってることが分かるようになる
お客さんや道で会った人など、1回しか話すチャンスのない人とは、その時分かり合えなければそれで終わりですが、何度も会う機会のある外国人があなたの周りにいる場合、知り合えば知り合うほどどんどん相手の言うことが分かるようになるはずです。相手の独特の発音のクセや文法の間違いに慣れるのもありますし、相手の生活環境や性格などが少しずつ分かってくると、大体言いそうなことの予想がつくようになってきます。そうなったらどんどん話すのが楽しくなると思うので、そこに行き着くまであきらめずに話していきましょう!
異文化コミュニケーションは楽しい時ばかりではないですが、なるべく気楽に構えて、間違いをお互いに笑い飛ばしながら共存できたら素晴らしいと思います。
それでは今日はこのへんで!